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さまざまなITS

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1995年、国を挙げたITSの取組がはじまりました

我が国におけるITSの取組は1970年代にさかのぼりますが、国を挙げての本格的な取組は1995年から始まりました。パーソナルコンピュータやインターネットなど、急速な情報化の波を迎える中、1996年7月には、20年間の長期ビジョンとして「高度道路交通システム(ITS)推進に関する全体構想」がとりまとめられました。
この中で、9つの開発分野が示され、産学官の連携のもと、さまざまな技術・サービスの実用化に向けて取組が進められてきました。

ITSの9つの開発分野と具体例

ナビゲーションシステムの高度化

クルマを運転中、渋滞や交通規制情報、目的地の観光や天気など、多様な情報をすぐに受信できるよう、カーナビを高度化します。

VICS(道路交通情報通信システム)
カーナビゲーションシステム

カーナビゲーションシステム

自動料金収受システム

有料道路だけでなく、ガソリンスタンドや駐車場などさまざまな場面で、自動料金決済を可能にします。

ETC

名古屋ICのETCゲート

安全運転の支援

クルマと道路が情報通信技術でつながりドライバーに歩行者、障害物の情報を配信、事故を未然に防ぐための運転サポートなど、ドライバーの安全運転を支援します。

安全運転支援システム(DSSS)
先進安全自動車(ASV)

ASV車両

交通管理の最適化

交通を円滑にするために事故・規制情報を提供したり迂回路に誘導することで、交通流の適切な状態を維持。最適な交通状態を管理します。

高度交通管制システム(ITCS)
新交通管理システム(UTMS)

管制システム
出典:愛知県警察ホームページ/交通警察(交通管制センター)

道路管理の効率化

路面に設けられたセンサーやカメラ画像を活用して道路の状態を監視。降雪や異常事象を迅速に把握して、ドライバーに情報提供を行います。

電光掲示板

公共交通の支援

渋滞の影響を受けやすいバスなどを優先させるため信号を制御し、運行をサポート。どこにいても到着時間や乗り換え案内を発信します。

公共車両優先システム(PTPS)
バスロケーションシステム

基幹バス接近情報

商用車の効率化

商用車の運行を管理して、集配業務を効率化し、連続自動運転、車群走行など輸送効率、業務交通量の低減を図ります。

車両運行管理システム(MOCS)

バス走行の様子
出典:NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)ホームページ

歩行者等の支援

携帯端末やセンサーなどを活用して移動中の歩行者に街の情報を提供したり、障害者が安全に街を歩ける交通環境を作ります。

歩行者等支援情報システム(PICS)

横断歩道

緊急車両の運行支援

素早く災害現場を特定し、信号制御により緊急車両を迅速に誘導。検挙率・救命率を向上させ安心して暮らせるまちづくりを実現します。

緊急通報システム(HELP)
現場急行支援システム(FAST)

救急車

進化するITS

社会全体にわたって、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)化が進むとともに、人工知能(AI)分野の研究・開発なども急速に進んできており、ビッグデータといった大量の蓄積データを活用したサービスの展開なども始まっています。さらに、超高速、超低遅延、多数同時接続といった性能を有する第5世代移動通信システム(5G)の実現に向けた取組も進んでいます。

ITSの技術・サービスについても、こうした情報通信技術の一層の発展やデータ利活用の進展などとあいまって、プローブ情報の活用、ETC2.0などの新たなサービスの展開や自動運転(自動走行)システムの実用化に向けた取組も活発化してきています。そこでは、自律型のシステムと、車車間、路車間で通信しあう協調型のシステムとの統合も課題となります。

「世界で最も安全で環境にやさしく経済的な道路交通社会の実現」を目指して、ITSは、さらに進化を続けています。

ITSを発展させて実現する「Connected Car」社会

出典:内閣官房IT総合戦略室「ITS・自動運転を巡る最近の動向」(H29.2.10)