あいちITSワールド2017
期間 | 2017年11月23日~11月26日 |
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場所 | ポートメッセなごや(名古屋市国際展示場) |
主催 | 愛知県ITS推進協議会 |
後援 | (一社)日本自動車工業会 (公社)自動車技術会 |
特別協力 | (特非)ITS JAPAN |
内容 | ◆ステージイベント ・研究発表(13:00~14:30) 【11月25日(土)】 ◆展示イベント ◆参加体験イベント |
レポート
最新のITSテクノロジーや研究成果発表が行われる大規模イベント「あいちITSワールド2017」が、名古屋市港区のポートメッセなごやで開催された。期間は11月23日(木祝)から11月26日(日)までの4日間。第20回・名古屋モーターショーとの併催となるのは例年通りで、入場料は両者共通で1,500円(当日券)。高校生以下は無料となっている。愛知県内外のITS関連企業や行政、大学、工業高校等が出展し、ITSの最新技術を身近に体験できるまたとない機会として認知されており、会場は多数の入場者で賑わった。 またイベント期間中、ITS特別講演や大学生によるITS研究成果発表(24日)のほか、愛知県ITS推進協議会会長でもある愛知県の大村知事と俳優の哀川翔さんによるトークショー(25日)も開催された。
ITS特別講演「バスとトラックの自動運転技術開発の現状」
ドライバーがいらない完全自動運転技術に対する社会の期待が高まっている。本講演では、日本の自動運転技術開発のフロントラインに立つ先進モビリティ(株)代表取締役・青木啓二氏より、世界と日本の自動運転技術開発の現状が紹介された。
トラックの隊列走行について
物流の効率化や将来的なドライバー不足への対応を進めるため、技術課題の克服や法整備に向けた検討が進められている。そのおおまかな方向性は、隊列の先頭車両にのみドライバーが運転し、後続車両は遠隔監視を行うことで無人化を実現する、というものだ。トラック同士は通信技術で擬似的に連結(電子牽引隊列走行)され、後続車両は「トレーラー」とみなす前提で法整備が進められており、2018年には新東名高速道路での実験も予定されている。
バスの自動運転について
2020年には高速道路上での自動運転(レベル2)を実現するべく各メーカーによる開発が進められている。この場合の自動運で重要なのは、誤差数センチレベルの精密な「位置検知」である。その具体的な方式について、詳細解説が行われた。また、周囲の情報検知を行う際、人や車、障害物等を正確に判断するため、ディープラーニングを活用した事例等も紹介された。
最後に
トラックやバスの運行事業では今後、ドライバーの高齢化に伴う人手不足が予想されている。このまま人手不足の状況が続けば、2030年にはトラックによる高速物流が滞る、という深刻な予測もある。自動運転技術による無人化には大きな期待が寄せられており、企業の技術開発だけでなく、行政による法整備・環境整備も重要で、両者の連携をスムーズに進めることが自動運転社会実現の鍵、と言えそうだ。
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